期間:2026年6月20日〜6月24日/出典:TechCrunch・ITmedia AI+・OpenAI・各社公式ブログ(編集部ピック)
ハイライト
Anthropic が Slack で @Claude と呼べるAIチームメイトの Claude Tag をベータ公開して、AIがチャットの相手から、チームの一員へと役割を広げてきました。セキュリティの分野では、OpenAI が基盤の Daybreak を拡張して、AIで脆弱性を見つけるだけでなく、直すところまで踏み込みました。プロダクトでは、Mistral が文書解析OCRの新版 OCR 4 を公開(日本語を含む170言語に対応)し、Google DeepMind が映画スタジオ A24 と7500万ドルで提携してAI映画制作ツールを共同開発、Sakana AI が国産のマルチエージェントAI Fugu を一般提供と、各社の新サービスが一気に出そろった一週間だと思います。
主要ニュース
1. AnthropicClaude Tag公開 ― Slackで@Claudeを呼べるAIチームメイト
Anthropic が、ビジネスチャットの Slack の中で @Claude とメンションするだけでタスクを頼める 新機能の Claude Tag を、2026年6月23日にベータ提供しました。管理者が許可したチャンネルに Claude を追加すると、メンバーは普段の言葉で依頼できて、Claude は 作業を段階に分解して、与えられたツールを使いながら順に処理 して、終わったらスレッドへ成果物を返してくれます。特徴は マルチプレイヤー対応 というところで、チャンネルには全員が話しかける単一の Claude が常駐するので、チーム全体で進捗を見られて、中断した会話を他のメンバーが引き継げます。Claude はチャンネルの会話を追いながら 会社の文脈を学習して記憶 していきます。対象は Claude Enterprise と Team のプランです。Anthropic 社内では 自社のコードの65%を社内版の Claude Tag が生成 しているそうで、これはかなり実用的だなと思いました。
出典:ITmedia AI+ / TechCrunch
2. OpenAIDaybreak拡張 ― AIで脆弱性を見つけるから直すへ
OpenAI が、サイバーセキュリティ向けの取り組みである Daybreak を2026年6月22日に拡張しました。狙いは、脆弱性(ソフトの弱点)を 見つけるだけでなく、修正まで一気通貫で進める ことです。中核になるのは4つで、リポジトリごとに脅威モデルを作って、隔離した環境で弱点を検証して修正案を出す Codex Security、大規模なコードを横断して弱点をたどりながら修正案を作る最新モデルの GPT-5.5-Cyber、セキュリティ企業の Trail of Bits や HackerOne と組んで、オープンソースを発見から修正へと運ぶ Patch the Planet、そして提携企業が自社の製品に組み込める Daybreak Cyber Partner Program から成っています。AIは攻撃にも防御にも使える両刃なので、防御する側を強くしておこうという狙いだと思います。
出典:TechCrunch / OpenAI
3. MistralOCR 4公開 ― 日本語含む170言語、文字の位置と信頼度も出力
フランスの Mistral が、文書解析OCR(画像から文字を読み取る技術)の新版である OCR 4 を2026年6月23日に公開しました。PDF や Word、PowerPoint などから文字とレイアウトの構造を抜き出して、文字の位置(バウンディングボックス)/見出し・表・数式・署名といった要素の分類/ページや単語ごとの信頼度スコア まで出力できます。対応は 170言語で、日本語も含まれています。人間による比較評価では、競合に対して 平均72%の勝率 を記録しました。料金は 1000ページあたり4ドル(バッチ処理なら半額の2ドル)で、API のほか Amazon SageMaker や Microsoft Foundry 経由でも使えます。
出典:ITmedia AI+
4. Google DeepMind、A24と7500万ドルで提携 ― AI映画制作ツールを共同開発
Google DeepMind が、映画スタジオの A24 と組んで、AIを使った映画制作ツールを共同開発 する提携を2026年6月22日に発表しました。DeepMind は 7500万ドル(約115億円) を投じます。A24 は『Everything Everywhere All At Once』や『Marty Supreme』などで知られるインディー系のスタジオで、DeepMind がハリウッドのスタジオと本格的に組むのはこれが初めてになります。共同創業者の Demis Hassabis CEO は、アーティストを助けるツールは彼らと直接組んで作るのが最善だ、とコメントしていて、生成AIを置き換えではなく 制作の支援 として位置づけています。背景には、Netflix の InterPositive 買収や Amazon MGM のAIユニット発足など、ハリウッドでAIの採用が加速していることがあります。
出典:TechCrunch
5. Sakana AIFugu公開 ― 国産マルチエージェントAIが始動
日本のAI企業の Sakana AI が、マルチエージェントAIシステムの Sakana Fugu を2026年6月22日に一般提供しました。Fugu は タスクの内容に応じてAIモデルを自動で選んで、複数のAIエージェントのツール機能を連携 させながら答えを出す仕組みです。料金は Standard が20ドル、Pro が100ドル、Max が200ドル の3プランで、どれも ドル建て で設定されました。これには、なぜ円建てではないのかという声もあって、Sakana AI は円建てプランへの要望を、日本のユーザーからの意見として引き続きしっかり受け止める、と説明しています。海外勢が並ぶなかで、国産のマルチエージェントAIがいよいよ本格的に動き出したなと思います。
出典:ITmedia AI+
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用語ミニ解説
- マルチエージェント:役割の違う複数のAI(エージェント)が分担して連携しながら、一つの大きなタスクをこなす仕組みのことです。
- OCR:画像やPDFの中の文字を読み取って、テキストデータに変換する技術です。光学文字認識の略になります。
- 脆弱性:ソフトウェアにひそむ弱点や欠陥のことです。放置すると攻撃に悪用される恐れがあるので、見つけて修正する必要があります。
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